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理科実験の試み
生物教員である作者による理科実験の実践や試みの紹介
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はじめに
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方法
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手にできた肉刺(マメ)の細胞を顕微鏡で観察

作業時間:約15分。観察だけなら時間はかかりません。
染色液を作ったり、マメを作るまでには時間がかかりますが(^_^;)



■ はじめに ■
  • この画像は2000年に撮ったものです。

  • 野球経験のない私が、硬式野球部の部長となってノックに励んでいたころのものです。無駄な力の入りすぎた振りだったので、手袋やテーピングの甲斐もなく、血だらけ、マメだらけという状態でした。
  • 上の写真の○印のところは、マメの中にマメができた、二重マメです。マメがつぶれる前に、せっかくできたマメだからと思って、マメの中の液体を観察してみました。


■ 用意するもの ■
  1. 注射針,シリンジ・・・マメの中の液体をとるためですので、ハサミで代用できます。
  2. 顕微鏡,プレパラート,カバーガラス・・・400倍~600倍くらいあれば良いでしょう。
  3. 酢酸オルセイン・・・細胞を染色するためですので、他の染色液でも可能です。
  4. 消毒用エタノール・・・化膿しないようにするためです。まずは流水でよく洗うことが肝心です。


■ 方法 ■
  1. 方法というほどのものではありませんが、一応記述しておきます。
  2. 注射器でマメの液体をプレパラートにとり、カバーガラスをかけて顕微鏡観察をします。


■ 結果 ■
  1. これは、マメからとった液体に食塩を混ぜて、
    染色をせずに観察したものです。

  2. かなりの細胞数です。 細胞を、酢酸オルセインで染色し、観察したものです。
    上の写真よりも拡大してあります。また、結構希釈してあります。



■ コメント ■
  1. 今回の実験は、授業とか教材とかは考えずに、『本当にマメの中にリンパ球があるのかな?』と思って、確認しただけです。
    そのため、倍率は忘れたし、どのくらいに希釈したかも覚えていません。
  2. ちなみにマメ、すなわち水腫は、辞書によると、
    『身体の組織のすきまや体腔中に組織液、リンパ液が多量にたまっている状態。』
    となっています。
    確実な検証はしていませんが、白血球であることは間違いないでしょう。(HPに載せるにはちょっといい加減かな?)


■ 参考 ■
  • 血液は約55%の液体成分と約45%有形成分で成り立っている。成人の全血量はおよそ体重の1/12~1/13とされている。これらすべての血液が常時循環しているわけではなく、循環血液と貯蔵血液がある。
  • 有形成分の主なものは、赤血球,白血球,血小板であり、1ml中にはそれぞれ約450~約500万個,約6,000~約8,000個,約13~約35万個存在する。
  • 白血球は、赤色骨髄の幹細胞から分化成熟する。その過程において、細胞内に顆粒を有するものと有さないもの、さらに顆粒の染色性が好酸性,好塩基性および中性のものなどに分けられ、無顆粒性のものは単球とリンパ球に分けられる。リンパ球は骨髄のみで分化するB細胞と、胸腺で分化するT細胞とがある。
  • 白血球は運動,寒冷,精神的ストレス,激痛,消化時,妊娠などで増加する傾向にあり、病的には感染,炎症,出血,火傷,梗塞,白血病などで増加し、腸チフス,インフルエンザ,薬物中毒,脾種,一部の膠原病などで減少することがある。
  • 心臓から送り出された血液が末梢の毛細動脈血管に運ばれ、血管壁から漏出した血液成分を組織液という。組織液は毛細静脈管に吸収され静脈血液となるが、一部はリンパ管に吸収されリンパ(リンパ液)となる。