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理科実験の試み
生物教員である作者による理科実験の実践や試みの紹介
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はじめに
用意するもの
方法
考察,コメント


レインボー焼きそば(紫キャベツのpHによる変化)

作業時間:約15分 ちょっとした演示実験として行えます。



■ はじめに ■
  • 紫キャベツの汁はpHによって色が変化します。この性質を利用してカラフルな焼きそばを作ります。


■ 用意するもの ■
  1. 紫キャベツ・・・スーパーなどで販売しています。ただ、紫キャベツを取り扱うスーパーは年中入荷していますが、全く取り扱わないところもあります。経験上、スーパーの大小にかかわらず、そのスーパーの店長の判断?のような気がします。何かと理科では紫キャベツを利用しますので、「あのスーパーに行けば買える」というところをチェックしておきましょう。まあ、わざわざいうほどのことでもないかな?
  2. 焼きそば・・・スーパーやコンビニで販売している普通の焼きそばです。ちなみにカップ麺でも可能です。
  3. 食酢・・・必須です。レモン汁でも可能です。要するに酸性の透明な液体ならばなんでも大丈夫です。
  4. 食塩,調味料・・・味付けは主に食塩です。ソースをかけてしまうと結局真っ黒になってしまうので、ソースは使えません。


■ 方法 ■
  1. まず、材料を集めます。

  2. 普通にやきそばを作ればOKです。
    紫キャベツからでる汁が重要なので、水を多く入れます。
    はじめは炒めるというよりは煮るという感じです。

  3. 汁と麺が絡むと、麺は青緑色になります。
    食塩などの調味料を混ぜて味を調えます。

  4. 半分に、食酢を加えます。当たり前ですが、酸っぱくなるので入れすぎに注意。
    食酢は、予め水を加えて薄めても十分に赤色になります。
    汁が蒸発したら軽くかき混ぜてOKです。
    赤色の麺,青緑色の麺の色と味を堪能して下さい。

  5. ▼2007.1.18追記
    二色ではつまらないので、焼きそばの原色と、ソースを混ぜた茶色を加えて4色にしました。
    調理は自分より女子生徒の方がうまいので、自分は口を出すだけです。

  6. 完成!一応4色です。

  7. 試食タイム!
    特別な材料や調味料を使っているわけではないので味は・・・?



■ コメント ■
  1. 原理ははじめに書いたとおりです。
    紫キャベツにはアントシアンという色素が含まれています。
    このアントシアンがpH指示薬として作用します。
    したがって紫キャベツでなくても、例えばケーキコーナーで売っているサツマイモの紫の粉末でも可能です。
  2. 今回は「家庭でもできる科学」も意識して焼きそばを作りたいと考え、紫キャベツと食酢を使用しました。
  3. 麺が青緑に変色するのは麺に含まれているリン酸のためです。表示上は「かんすい」となっています。
    このレインボー焼きそばを作る上での目標は、視覚と味覚でpHの影響を感じることですから、味付けには工夫が必要でした。
    何しろソースを使ってしまうと茶色くなって普通の色の焼きそばになってしまうからです。
    白ソースを使ってみては?と考え、方々に電話をして探しました。
    業務用のため数キロ単位でしか取り扱ってくれないことや、ソース自体が酸性のため、青緑色にしておきたいところは味を付けられないということがネックです。
    そこで食塩で味付けをすることにしました。
  4. 食塩の緩衝作用はどんなものかとちょっと疑問に思いましたが、まったく問題ありませんでした。ただ、正直言ってやはり普通のソース焼きそばの方が美味しいです。
    ソース焼きそばと比べてしまうと味は劣りますが、「こういうものだ」と諦め(!?)れば食べられます。
    「まずい!」というのもいれば「それなりに食える!」という生徒の声が麺のように混ざり合っていました。ちなみにカップ麺に紫キャベツを入れるだけでも「ゾクッ」とするようなインパクトがあります。
  5. まあ、何にしてもこのレインボー焼きそばはかなりインパクトがあったらしく、たまに卒業生が挨拶にきて、化学の授業で覚えていることを振り返ると、必ずと言っていいほどレインボー焼きそばのことを思い出します。
    また、「学校祭で売れる!」という声もありました。私は、なかなかの妙案だなぁと納得し、今はその機会を待っています。