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統計学のススメ!
■ はじめに ■
- 実験データの統計処理は、平均を出すだけではありません。さまざまな手順が必要であり、また、知識も必要です。そのため生物統計学などの書があるわけですが、もちろん入門編と書いてあっても専門書は専門書です。それまで統計処理について知らない人にとっては難しいです。
- そこで、さらなる入門編として今回のプチテキストを作りました。
■ ダウンロード ■
- 「統計学のススメ」のテキストはpdf形式です。 ---> こちら
■ 作者より ■
- 私たちはさまざまな場面で数字を処理し、考え、行動しています。それら数字は人の気持ちと同じようにいろいろな意味を秘めています。
- 例えば、2005年現在、日本の借金は1秒間に100万円ぐらいずつ増え続けています。
政治家の人たちはこの状況をどう考えているのか、疑問に思いますが、それはさておき、私が言いたいのは100万円という金額的な数字の後ろには、総額約800兆円の借金があって、国の税収数十兆円ではとてもまかないきれないというさまざまな数字がリンクしていることです。単体ではわからない数字でも、100万円,約800兆円,数十兆円という関連データから、徐々に日本の危機的な経済状態を推測できます。
- また、私たちはよく平均値というものを使います。これはとても便利ですが、もちろんこの平均値にもさまざまな事情や数字が隠れています。
- 国語が100点で英語が0点のAくんと、国語50点で英語も50点のBさんの二人の平均点は、同じく50点です。ですが、この同じ平均点の二人を同じ勉強の仕方で対処するととんでもないことになります。
「二人は平均点が同じでも教科によって点数にバラツキがあるよ」ということを、標準偏差という指標を使うことによって示すことができます。
氏名 |
国語 |
英語 |
平均値 |
標準偏差 |
Aくん |
100点 |
0点 |
50点 |
70.7 |
Bさん |
50点 |
50点 |
50点 |
0.0 |
標準偏差の大きい方が平均から離れた点数があるということを示しています。
もし各教科の点数を出さずに平均値だけでこの二人を観察するならば、標準偏差を付けた方がよりわかりやすくなります。ちなみに模擬試験などで出される「偏差値」は、「標準偏差」とは少し異なります。
- 点数だけの話ではなく、一般社会でもそうでしょう。
平均年収だって、数千万円あるいはそれ以上に稼ぐ人たちがいるために、一人あたりの平均年収は随分上がってしまいます。日本はそんなにリッチな人ばかりなのかと疑問にふけらないように、バラツキなり、分布なりを示して欲しいですね。
- 一枚の表に数字を提示して何かを説明しようとしたときに、平均値だけでなく目的や事情にあわせて適切な数字を載せると、よりわかりやすく、真実を表現する親切な表になります。そのために基礎的な「統計学のススメ」と題して、すごく初歩的な統計の基礎をまとめました。とは言いつつも「難しいんじゃないの?」と心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、日々進化するIT用語に比べればよっぽど楽です。ぜひ一読して下さい。
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