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豚足の骨格標本
作業時間:約5日 煮たり、乾燥させたりする作業があるので時間がかかりました。
■ はじめに ■
- 豚の肺を譲ってもらうついでに豚足をいただきました。当初は血管標本を作るつもりでした。しかし、動脈が予想していたよりもずっと細くシリコン注入が困難でした。
そこで、豚足の骨格標本を作ることにしました。
- 自由選択科目の『理科基礎』でも行いました。目的を明確にすれば有意義な実習授業になります。ただ、一日ではできず、授業に休んで進度の遅れた生徒の対応に苦労しました。点描画を仕上げるまで教師が手厚くサポートしないと完成しないので。
■ 用意するもの ■
- 豚足(前足,後足)・・・肉屋なら必ず販売しています。
- 凧糸,網・・・豚足を凧糸で縛り、網の中に入れて煮ます。何個も煮ていると、骨がこぼれて区別がつかなくなることがあります。網は流しなどで使われる三角コーナーの網で大丈夫です。
- 輪ゴム・・・網を留めるために使用します。
- 鍋・・・豚足を煮るために使います。
- ピンセット・・・肉をとったり、削いだりするのに使用します。
- 歯ブラシ・・・骨から肉を完全にとるために使用します。たわしでも可能。
■ 方法 ■
- 台所用の三角コーナーに付ける網に豚足を入れ、輪ゴムをします。
- 数時間煮込みます。
水酸化ナトリウムを混ぜて、肉を溶かすっていう方法もありますが、後片付けが面倒なので、トータルすると十数時間煮込みました。
ある意味で、ラーメン屋さんの臭いが充満します。
- 8時間ぐらい煮ると皮膚や肉が手で剥がせます。
カッターの逆刃やピンセットで削り落とすよりも爪が一番丁寧に落とせますが、
爪の間に肉が詰まってちょっと痛くなるかも。
だから最後は歯ブラシが良いです。
- 骨の接合部は完全にはまるようになっています。
間違えることはあまりありませんが、念のため写真やスケッチを行います。
- 肉や脂肪を手の爪を使いながら完全に取り除き、洗った後乾燥します。
塩素で漂白をすれば白くなりますが、多少もろくなるし、白いところとそうでないところのムラもできるので漂白はなるべく使わない方がいいかも知れません。
煮込みの時間を長くするほど組織がよく剥がれ、結果的に白くなるような気がしました。
■ 結果 ■
▼イラスト及び写真
- 前面から見た前肢の骨格のイラストです。本を参考に骨の名称も記入してあります。 ---> 前肢の前面図
- 裏面から見た前肢の骨格のイラストです。 ---> 前肢の裏面図
- 左斜め前から見た前肢の骨格イラストです。骨の名称も記入してあります。 ---> 前肢の前側面図
- 前肢の骨格の写真です。骨にドリルで穴を開け、テグスでつないであるので手にとって接合部を観察できます。ご存じの通り骨の中は空洞になっていますのでテグスは簡単に通せました。ちなみに塩酸につけたので、太陽にかざせば骨の内部が多少透けてみえます。まさにスケルトン!? ---> 前肢の写真
- 「前肢の写真」の骨格の展示例です。 ---> 前肢の展示風景
- 後肢の骨格の展示例です。 ---> 後肢の展示風景
▼点描画
- 点描画によるイラスト。たかなし作。 ---> 左側前肢イラスト
- 点描画によるイラスト。はしもと作。 ---> 左側後肢イラスト
- 点描画によるイラスト。わたなべ作。 ---> 右側前肢イラスト
■ コメント ■
- 自分の感想としては、今回の作業は特に興味深いものでした。一度ばらばらになった骨がきちんと組み立てられるのかと不安でしたが、動物の骨格はよくできており、パズルのようにきちんとはまりました。また、部位名を楽しく覚えることができました。
■ 参考 ■
- ヒトは、動物界>脊椎動物門>哺乳綱>霊長目>ヒト科>ヒト(Homo)属>ヒト(sapiens)種、である。すなわち二名法ではHomo.sapiens(ホモ・サピエンス)となる。(分類については、「顕微鏡写真」の「分類について」を参照してください。)
- ブタは、動物界>脊椎動物門>哺乳綱>ウシ(偶蹄)目>イノシシ科に属し、二名法ではSus scrofa domesticusとなる。英名はpig。イノシシ(Sus
scrofa)を家畜化したものである。
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