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マウスの迷路実験
作業時間:約1時間 ウサギ次第ですが、マウスよりはずっと楽です。
■ はじめに ■
- ウサギの迷路実験です。
- マウスの迷路実験を行っているときに、「種による学習の差がどれくらいなのかな?」
と疑問に思い、ウサギの迷路実験を行いました。と言っても同じ実験方法で調べられるものでもないのですが・・・
- 下の写真は実験に参加してくれたウサギです。
- 私はウサギを飼育したのは初めてですが、すごくかわいいですね。机の上に置いても、抱っこしても逃げないんです。
滅多に泣かないし、飼育しやすいのですが、排泄物の処理がちょっと面倒・・・、結構出るんです。
- 実験終了後は、ウサギが欲しいという生徒に籠や餌など含めてあげました。
数ヶ月後、元気に大きくなったウサギの写真を持ってきてくれました。
■ 用意するもの ■
- 迷路・・・段ボールで自作しました。
- ウサギ・・・ペットショップで買いました。2000円くらいだったと思いますが、よく覚えていません。
- 飼育セット・・・マウスよりは簡単に実験は成功すると思いますが、念のため飼育セットを用意しました。トータルするとおよそ1万円くらいだったと思います。
■ 方法 ■
- ウサギ用の迷路は市販されていなかったので、ダンボールで作りました。
ウサギはマウスよりも大きいので、ある程度の高さに作らないとジャンプして超えてしまいます。パソコン本体が入っていた箱で迷路を作りました。
- 実際に迷路にウサギを入れたときの画像です。
意外と素直に迷路を歩いていました。
■ 結果 ■
- 結果のグラフです。
餌までたどり着くまでの時間を計測しました。
計15回の結果です。
■ コメント ■
- マウスの迷路実験をした際、ウサギでも同様の実験を行いました。
実験に使ったウサギは、このページの上の画像にあるようにとってもかわいいデス!
仕事に追われる忙しい毎日の中で、理科室の片隅にいるウサギを見るとなんだか癒されます。
- さて、肝心の実験ですが、マウスの場合実験がうまくいくことは希ですが、ウサギの場合はほぼ間違いなく期待通りに実験が進みます。
- なんと言っても食欲が旺盛なので、特に絶食をさせる必要もありません。
満腹になるほど食べた後でない限り、餌に食いつきます。
食いだめ(?)をするためでしょうか?
マウスの場合は、餌に紐をつけて餌が食べられないように引き上げていました。しかし、ウサギはその必要もありませんでした。
- 学習能力もマウスより格段に上、と言いたい所ですが、迷路の形も違うし、迷路実験しかしていないのでこの実験からは言い切れません。が、賢いことはわかりますね。
- 実験ついでに一つ興味深い実験をしてみました。
15回も繰り返すと、さすがにウサギは餌の場所を覚えました。
(ここをA地点としましょう)
16回目は、餌の場所を変えてみました。
(ここをB地点としましょう)。
当然ウサギは、本来餌があるべきA地点まで一直線に向かったわけですが、
餌がないので、2,3秒後にまた餌を探し、B地点の餌にありつきました。
▼ここで問題です。
もう一度B地点に餌を置いた場合、ウサギが真っ先に向かうのはA,Bどちらでしょうか?
答え ---> こちら
■ 参考 ■
- 経験によって行動が変化する過程を学習という。
- 最も単純で消極的な学習として「慣れ」がある。慣れは刺激特異的な反応低下による。クロウタドリの雛は親の形に反応して口を開けるが、モデルを繰り返すことによって、一旦停止した反応は、巣を揺するという別の刺激を与えるとただちに回復する。これは、環境からの無用な刺激に対して無駄な反応をしないための適応の意味を持つ。
- パブロフ(Pavlov)の研究で有名な「条件反射」は、動物がもともと持っている反応性をそれとは元来関係のない刺激と組み合わせて学習によって作られる反射のことで、この過程は、古典的条件づけと呼ばれている。これは正の強化(肉などの報酬)や負の強化(電気ショックなどの罰)と条件刺激を組み合わせて学習させることによって、形成,消去される。
- 条件反射は、自然界で餌の味と外見とを連合させて避けるようになる学習などに関係している。
- 対して、ある報酬を受けるために動物が特定の行動をとるようになる過程を「試行錯誤学習」と呼ぶ。スキナー箱や迷路に代表される実験である。この学習には融通性があり、迷路を学習させた後、曲がり角の角度を変化させても正確に反応するし、途中に水をためても泳ぎ渡る。したがって、動物は単に筋肉運動のパターンだけを学習しているのではなく、経路の全体像を学習すると考えられる。
- 動物が試行錯誤によらず、速やかに問題を解決する現象を「洞察学習」と呼ぶ。ネズミがよく知っている迷路に障害物を置かれると、すぐ最も近い回り道を選ぶ行動がそれである。これは、動物が過去の経験と現在の状況とを組み合わせて、頭の中で試行錯誤の思考実験を行った結果であるとも考えられている。
- これまでの「学習」とは少し性質の異なったものに「刷り込み」がある。これは出生後間もない特定の時期にのみ起こる一種の学習と考えられている。ガンの雛の追随行動は有名だが、カモなどでは音に対して刷り込まれる反応が強い。
- 刷り込みの効果は生涯持続するが、反応は成長とともに変わる。
- 追随反応の対象となったものが、後には性的伴侶としての対象となる例も多い。これは性的刷り込みという。
- 刷り込みの研究は鳥類で多く行われているが、哺乳類でも多くの似た現象が見られる。ヤギの母親は出産後仔ヤギと5分間一緒にいるだけで自分の子として扱う。これは幼児以外の時期に起こる刷り込みの例である。
- 学習による行動変化の可能範囲は生得的に定まっていると考えられる。穴居性のネズミは迷路学習する能力を持ち、一方、カエルは苦い虫の特徴は速やかに学習する。つまり、種によって学習する内容が異なり、一概に学習能力を比較することはできない。
- 動物には学習衝動があるという考え方もある。鳥類や哺乳類で身の回りの環境を特別の動機なしに探索するものは多い。このように新奇なものを刺激として求める行動は特に幼児に強く現れる。これを「探索行動」という。また高等哺乳類や少数の鳥に見られる遊技行動は、種々の動きが順序も強さもまちまちに現れるという点で探索行動と区別されるが、これも刺激を求める行動と言える。どちらも欲求行動とは異なり、特定の動因によって起こるものではない。このように動物には、普段から環境について特定の報酬なしに学習を行う生得的傾向があり、それがいざというときの生存を助けていると考えられる。
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