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ヨウ素デンプン反応を利用したアミラーゼ活性の測定
作業時間:約30分 考察の時間は含めていません。
■ 背景と目的 ■
- デジカメと画像処理ソフトを使えば定量ができることは「デジカメ簡易比色法について」のページで紹介したとおりです。
- 今回は、ヨウ素デンプン反応を利用したデンプンの定量を検証しました。
- また、アミラーゼ(ジアスターゼ,デンプンを分解する酵素)の活性も測定しました。
■ 用意するもの ■
▼デジカメ簡易比色定量に必要なもの
- デジカメ・・・解像度は気にしなくてよい。携帯電話のカメラでもパソコンに画像を送れれば可能。
- 画像処理ソフト・・・私は使い慣れているAdobeのPhotoshopを利用しましたが、GIMP,Dibasなどのフリーソフトでも可能であることを確認しました。
- パソコン・・・画像処理ソフトを使うため。
- プロジェクタ・・・必須ではありませんが、データの測定の様子を生徒に見せるために使用します。
▼ヨウ素デンプン反応と酵素反応に必要なもの
- 酵素・・・ジアスターゼ。0.01%,0.02%,0.03%の3種類の酵素液を調製します。
- 基質・・・可溶性デンプン。0.08%デンプン水溶液に調製します。基礎実験の結果、この濃度が最適でした。
- 検出試薬・・・ヨウ素ヨウ化カリウム溶液。
■ 方法 ■
▼検量線の作成
- 0%~0.08%のデンプン水溶液を準備し、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液をマイクロピペットで一定量加える。

- デジカメ簡易比色法に従って測定値を求める。また、試料の測定値も求めます。
ヨウ素デンプン反応の場合は、着色が濃いのでライトボックスを使えますので、自作のライトボックスを使いました。これは誤差がでにくように円形状に並べます。


- 0%~0.08%のデンプン水溶液の測定値から検量線を求め、試料の測定値から濃度を求めます。
▼酵素活性の測定
- 基本的な流れは「デジカメ簡易比色法を利用したプロテアーゼ活性の測定」と同様です。すなわち、1分ごとにデンプン溶液にジアスターゼを1滴ずつ滴下し、最後にデジカメで撮影します。
- 画像処理ソフトを用いて測定値を求め、検量線から濃度を割り出します。
■ 結果 ■
- 検量線の作成結果です。デジカメ簡易比色法はRGBの各色のデータが同時にとれるので3本のグラフができあがります。ただ、3本のうち最も良いものを1本選んで使います。

- 上の検量線をもとに補正を行いました。

- 酵素活性の測定結果です。
下の写真は酵素濃度0.01%,基質濃度0.08%のときの酵素の1分ごとの反応結果です。

- 下のグラフは、酵素濃度0.01%,0.02%,0.03%のそれぞれの反応の様子です。

■ 考察 ■
- 結論から言うとヨウ素デンプン反応による比色定量は可能です。しかし、酵素反応の測定には適しません。
- 定量が可能であるその理由は、結果の1の通り、検量線に因果関係が認められることです。また、デジカメ簡易比色法の性質上グラフが3つ作成されますが、そのうちのG(緑)値を使用するのが最も良いです。
- 次に、酵素反応についてですが、どうやらヨウ素ヨウ化カリウム溶液はジアスターゼの反応を阻害するようです。ヨウ素デンプン反応とは、ヨウ素溶液がデンプンに絡まって呈色するため、ジアスターゼがうまく反応できないのだと思います。結果の4で、酵素濃度が2倍,3倍になっても分解量が理想にとどかないのはそのためと思われます。
- ヨウ素ヨウ化カリウム溶液の濃度を薄くすることで、結果はもっと理想に近づけることができます。しかし、こんなことを言ってはどうかと思いますが、どうしてもジアスターゼの活性を調べなくてはならないというなら別ですが、わざわざ困難な実験をするよりも「デジカメ簡易比色法を利用したプロテアーゼの活性実験」のページで紹介したプロテアーゼ活性の実験をした方が良いと思います。
- 測定値の誤差についてですが、下の図の通り、画像処理ソフトで読み取る際に、読み取り位置による測定の誤差はほとんどありません。

- また、デジタルカメラの撮影条件を変えて測定しました。適不適はありますが、それほど結果に重大な影響を与えるわけではありません。

- 最適温度を調べる実験はやりにくく、行いませんでした。熱い条件を作るのは簡単ですが、20℃や10℃の条件では作りにくく、また、試験管の表面に水滴ができてしまうので生徒実験としては不向きです。また、50℃以上に上げてしまうとヨウ素デンプン反応が無くなってしまいます。ヨウ素デンプン反応は熱に弱く、色が消えてしまいます。(温度を低くすればまた呈色しますがもとの色と同じかどうかはわかりません)
■ 参考 ■
- 今回実験に使用したジアスターゼとは、デンプンやグリコーゲンの分解を促進して糖にする消化酵素です。ジアスターゼは別名アミラーゼとも言われます。ジアスターゼは胃腸薬によく含まれていることからも分かるように消化不良や胃もたれ、胸やけを防止する働きがあります。またジアスターゼは消化不良を改善させるため食欲不振を改善する働きもあります。加熱に弱く酸化しやすいという性質があります。
- 酒が発酵して造られるのは、澱粉の分解酵素であるダイアステーズ(ジアスターゼ)の働きによるものだが、麹のジアスターゼは消化能カが特に顕著だった。これに着目した高峰譲吉は、強カ消化剤の実用化の研究に熱中する。そして、麹のジアスターゼにアスペルジラス・オリーゼという糸状の菌を生成し、その中から、ある強力な消化作用をもつ物質を分離することに成功した。この強力消化剤(胃腸薬)を、高峰のタカを冠して「タカジアスターゼ」と命名し、明治27(1894)年に特許を申請。そして製造販売を、全米最大の製薬会社であるパークディビス社に委託すると、これが瞬く間に大ヒットした。世界の家庭の常備薬となり、パークディビス社は世界の胃腸薬市場をほぼ独占した。ただし、日本だけは例外だった。「タカジアスターゼは日本人の発明品なので、日本では日本人に売らせたい」という高峰自身の申し入れを、パークディビス社が承諾したからである。そして明治32(1899)年、タカジアスターゼ販売のために三共商店(現在の三共)が創設される。三共胃腸薬タカジアスターゼは、夏目漱石の当時のベストセラー小説「吾輩は猫である」にも登場するなど、赤チンとともに日本の国民的常備薬となった。
参考文献『http://biz.mycom.co.jp/life/regular/hatsumei/bn/020315.html』
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