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作者が考案したスコアカウンターの紹介。バドミントンで使ってみませんか?
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スコアカウンターの考案 ・・・ 実用新案登録の履歴
次のようなバドミントンを主としたスポーツ用スコアカウンターを考案しました。
どうでしょう?使ってみたいですか?


▼CGイメージ





■ はじめに ■
  • この度、実用新案の登録を行いました。
  • その考案内容と、それに至るまでの履歴を紹介します。




■ スコアカウンターの考案 ■
  • 考案の内容は、上に示したようなもので、手の平サイズのスポーツ用のカウンターです。
  • 例えば、バドミントンやバレーボール、あるいは他の競技においても人手が足りなくて、得点係を付けられないときがあります。そんなときに、主審が得点を記録しやすくするものがこの「カウンター」です。
  ▼特長
  • バドミントンなどは対戦型競技なので、2人(あるいは2チーム)のスコアをカウントする。
  • 片手で持ち、操作できるハンディタイプ。
  • 構造の原理が単純なので、あえて説明しなくても使用できる。
  • 材料のほとんどがプラスチックなので汗などで錆びない。また、容易に水洗いできる。
  ▼構造
  • 次に示した図を参考にして説明します。

  • 下は、図面から作られるCGイメージです(多少異なりますが)。

  • 図のように、数字を記入したダイヤルで得点を数えます。しかし、上のような配置の仕方だと一つのダイヤルで30得点までカウントすることはできません。そこで、十の位のダイヤルと、一の位のダイヤルを用意し、2つのダイヤルの合計を得点としました。
  • 図の赤い線より上の、2つの小窓で表示されるのがプレイヤー1の得点で、赤線の下がプレイヤー2の得点です。
  • 青い線より下は、セット数をカウントします。
  • 逆回り防止ストッパーが付いており、逆回りを防止します。
  • 写真はプロトタイプです。試作品のため、ネジなどでゴツゴツしていますが、最終的にはCGイメージのようなスムーズな形状が目標です。


  ▼考案の目的
  • バドミントンなどの部活動指導中、練習試合などにおいて生徒が試合の得点を忘れてしまうのをよく見かけます。「初心だから」というのが主な原因ですが、経験の長い人でもそのようなことは少なくありません。また、バドミントンにおいては、2005年頃から2006年頃にかけてほぼすべての大会がラリーポイント制に移行し、それまでサーブを打つ順番や立ち位置に特別留意しなくてもそれほど間違うことはなかったのですが、以前よりも注意を払う必要が出てきました。
  • 得点だけに注意しているわけもいかず、せめて「得点だけでも記憶できる良いものはないかなぁ」と思い、スコアカウンターを考案しました。
  • なお、試合の公式戦では人手は十分にありますし、記録シートなどもありますので、この考案は非公式試合や、体育の授業などで有益なアイテムです。




■ 実用新案の出願から登録までの履歴 ■
  • 今回初めて実用新案の登録を行いました。結果的に登録が完了したのですが、すべて自分で手続きを行ったのでかなり険しい道のりでした。その際、書籍やホームページを参考にしましたが、どれもこれも簡単な解説ばかりで、「素人が初めて実用新案の申請を行うときに知りたいこと」はほとんど調べられませんでした。
  • そこで、いくらかかるのかとか?どのくらいの日数がかかるのか?など、実際に体験したリアルな手続きの履歴を紹介します。
  • ちなみに私は、特許や実用新案については何も知りませんでしたが、勉強しながら、なんとか登録までこぎ着けました。「素人に手続きは可能か?」と聞かれたら、私は「可能」と答えますが、結構な準備や勉強をしないと難しいです。それらの労力をいとわないのなら、という条件付きで「可能」です。
  • 実用新案や特許の手続きは、特許事務所の弁理士さんに相談するのが手っ取り早い方法ですが、実用新案でも1件あたり20~30万はざらにかかります。特許はそれ以上です。この依頼料の相場は特許庁のホームページにも掲載されていますが、20万円以下の特許事務所はほとんどありません。
  ▼実用新案の登録までの記録
  1. 2004年
     生徒が指をたたんでスコアをカウントしているのを見ながら、「楽にカウントできるものはないかなぁ」と思案。
  2. 2006年3月
     非公式のバドミントンの試合で、学生が指を使ってカウントしているのを見たとき、頭の中にスコアカウンターが閃いた!そして、今年中に作ることを決意。
  3. 2006年6月下旬
     まずスコアカウンターを作るために、簡単な設計図を作り、型紙で作成。
  4. 2006年7月上旬~下旬
     塩化ビニル板やアクリル板などを購入し、材質はどれがよいか吟味し、実際に作成した。なんとか7月中に完成した。また、これが何らかの権利(特許や実用新案)にならないかと、多少特許などに知識のある友人に相談したり、特許庁のホームページを毎日閲覧した。
     ※特許庁ホームページ ---> こちら(別ウインドウで表示します)
  5. 2006年8月上旬
     実用新案登録の申請は、「請求の範囲」「明細書」「図面」「要約書」から成り、それに表紙や特許印紙を貼付して郵送する。もちろん今はインターネットなどを使う方法もあるが、事前の登録をするようなので、従来の方法で行った。
     実用新案の願書で重要なのは、たぶん「請求の範囲」と「図面」である。図面は特許庁ホームページに掲載している説明をよく読めば描ける。一番苦戦したのは「請求の範囲」。特許庁ホームページの電子図書館の、実際に登録してある実用新案例を参考にして書いてみるが、適当に書けば大丈夫だろうという思いこみで、勢いに任せて書いてしまった(後にこれが元で補正命令が来る)。
     願書の表紙に特許印紙を貼るのだが(貼らない方法もある)、印紙は郵便局で販売している。ただ、あまり利用するものではないので場所によっては販売していないこともある。私は事前にインターネットで調べ、電話で確認した後、郵便局に赴いて購入した。ちなみに窓口の人がよく把握をしていなかったらしく、「特許印紙を下さい」と言ったら、「ありません」と即答されて、「今日、電話であるって言ってましたけど・・・?」というやりとりをしました。貼った特許印紙は、「請求の範囲」に記入する「請求項」の数によって変わりますが、およそ2万円くらいです。
     それらの準備をして、簡易書留(490円)で特許庁長官宛てに郵送しました。
  6. 2006年8月下旬
     出願から2~3週間経って、工業所有権電子情報化センターから電子化料金7000円程度の請求が来たので郵便局で支払った。
  7. 2006年9月上旬
     「識別番号通知」と「出願(申請)番号通知」の郵便はがきがほぼ同時に届いた。
     「識別番号通知」とは出願者に割り当てられる番号で、以後特許や実用新案などに出願する際に使用します(出願前に電話で質問し、「初めての出願の場合は識別番号の欄は空白にして下さい」と特許庁の方に教えて頂きました)。
     「出願(申請)番号通知」とは、その願書に割り当てられた番号です。受け取ったよという証明の意味もあるのでしょう。
  8. 2006年10月上旬
     請求項や図面に曖昧な所が多々あるとの指摘で手続補正命令がきた。命令書の下の方に、「特許・実用新案に関する諸手続には極めて専門的な知識が要求されますので、専門家(弁理士)に相談・依頼することを検討されてはいかがでしょうか。」という文言があり、“素人には無理か?”と思った。
     手続補正の期限はおよそ2ヶ月(特許庁の提出日からなので、正確2ヶ月ではない)あり、その後、改めて請求項の書き方について調べ始めた。しかし、要点がつかめなかった。半ば諦め、補正書提出期限まであと1ヶ月くらいのときに県内の特許事務所数カ所に電話をかけ、補正書作成の見積もりをとった。そのとき、「話を聞いて多少のことなら(無料で)教えられるよ」という善意ある事務所があり、電話の2~3日後に伺った。すると、「補正で直せる範囲ではないかもしれない」と言われたが、「労力をいとわなければやって損はないけど・・・」とも言われた。特許に関する世間話をしながら、私が「儲け云々じゃなくて、チャレンジしたいっていう気持ちが強くて、できれば自分でやってみたい」というようなことを言うと、「じゃあ、やってみればいいよ」ということになり、基本的な考え方を教えてもらった。結局2時間くらい弁理士さん(正確に言うと、その事務所に勤める事務員さんだが、さすがに経験が豊富で的確な話だった)に話を伺った。
     補正書提出期限まで残り数週間は、本来の仕事の後、必死に「請求項」や「図面」を直していた。さらに図面の追加も行った。何とか補正書を仕上げ、期限ぎりぎりに提出した。
  9. 2006年12月中旬
     工業所有権電子情報化センターからまた電子化料金の支払い請求書が届いたので、支払った。
  10. 2007年1月中旬
     手続補正書の受領書が届いた。
  11. 2007年3月上旬
     ようやく、晴れて実用新案登録証が郵送されてきた。郵送されてくる袋はいつもの水色の袋だが、「登録証在中」という文字が印刷されているので、袋を開けなくても内容が推測できた!登録証には2月下旬の日付が附されている。ちなみに、補正によって請求項の数を減らしたのだが、その分の返金はなかった。


  12. 以上が、私の実用新案手続きの記録です。
     ≫ 所要期間 : 約6ヶ月
     ≫ 費用 : (登録手続)約4万円 + (制作費)約1万円
               ※さまざまな交通費や制作にかかる交際費(?)などは除く

    実用新案や特許の本来の目的は、お金稼ぎや技術の防衛だと思いますが、今回の取り組みを通して有意義な時間を過ごしたという充実感を得たことが良かったです。特に、もの作りの面白さを改めて実感しました。


■ 栃木県発明展 ■
  • 2007.10.10 追記
  • 先日、栃木県発明展に出展してきました。
    出展したからといって特になんだということはありませんが、いい経験をしました。
    ▼学生2人を連れて行ってきた様子です。ちなみに作者は写ってません。

    ▼学生の左手側の白いパネルが作者のブース。実物は学生が左手に持っています。